日比谷にも住みたい

日常雑記絵日記ブログ「荒川区に住んでます」の宝塚観劇記録用の日比谷別宅です

探偵に重ねる「男ってやつは」

1128_1z
1128_10Z
1128_3Z
1128_9Z
↑主人公の探偵が敵地(マフィアのパーティー)に飛び込もうとするのを恋人が止める場面です。観劇後、夫が「わかるわぁ〜」としきりに頷いてました。男として行かねばならぬように出来ているから飲み会に行くそうです。しょうもない

宝塚雪組公演『私立探偵ケイレブ・ハント』を観に行ってきました。
とても楽しかったです!
一緒に行った夫もお芝居がすごく楽しかったとニコニコでした。

物語の舞台は、20世紀中頃のロサンゼルス。探偵事務所を営む主人公ケイレブ・ハント(早霧せいなさん)とその仲間たちが、ある若手女優の死を追うにつれ、華やかな映画業界の裏で暗躍するマフィアに行き着くが、自身の命を狙われるどころか恋人(咲妃みゆさん)まで巻き込まれてしまい……というスリリングなお話。

銃とコーヒー(そういえば探偵につきものの煙草が出てこなかった気がする)、酒と軽口、そして美女を愛する無鉄砲な男たちと、苦悩しながらも彼らを愛してしまう女たち。そんな彼らを取り巻くキナ臭いショービズの世界の舞台裏。
わたしはマーロウとかエルロイとかの小説が大好きなので、雪組さんの個性的な面々で、いかにも男臭い探偵ものを観ることができて、すごく嬉しかったです。観ている最中、ふとこれは自分の願望が作り出した夢かと思ったくらいでした。
話の筋も大変わかりやすかったので、初見でちゃんと物語に入り込めました。
これが伏線だったのね、という展開もあったり、笑いあり切ないエピソードありで物語の行方にハラハラドキドキしつつ、ちぎさんかっこいーとかちぎさんかっこいーとかちぎさん美人ーとか、忙しかったです。
あと心に残ったのが(ねたばれになるかもしれないので反転→月城さん)の撃たれっぷりが、本当に致命傷を撃たれていたみたいでびっくりしました。芸達者や。
1128_7Z
夫的には、「テンポ良くてたくさん笑っちゃった。みんな演技うまいのねえ……」という感動と、娘役さんたちの50~60年代風ファッションの衣装がかわいくて気に入ったそうです。空港の場面のスチュワーデスの衣装に至るまでかわいかったな。

それにつけても、いや〜やっぱりスーツものはいいですね!! みんなスタイルがいいからスーツが似合うわー。

ジュークボックスから始まるショー『Greatest HITS!』も心踊るショーでした。
どこかで聴いたことのあるおなじみの曲がたくさん。クリスマスソングメドレーでは童心に帰ってしまいました。
大人になってからクリスマスってそこまで何もしないですが、やっぱりクリスマスソングを聴くと自然と体がうきうき揺れます。ちぎさんサンタがキラキラな赤い衣装に早変わりするところとか、お人形のようなダンサーたちとか、子どもの頃にクリスマスツリーの飾りを眺めながら見たファンタジックな夢のようだわ。
1128_6Z
ちぎさんのリーゼントのまるまるしたところがすごくきれいでした

あと、こちらも衣装の早変わりがあったゆうみちゃんの「Material girl」の場面がすごくかわいかったです。サビの部分の歌い方とか、とってもキュートでずっと聴いていたかったくらい。
ベートーベンの運命に乗せてだいもんさんが歌う迫力の場面は、宝塚っぽい「えっ、やられるんかい」という展開でしたが、楽しげな曲でももっとたくさん美声を聴きたかったわあ。
ほかにもふりふりな黒燕尾あり、最高に楽しい3時間を過ごすことができました。
トップお2人の退団が発表されたばかりで、ショーの最中はときおり寂しい気持ちになってしまいましたが、これからの時間も大事に目に焼き付けていきたいと思います。また12月に行くぞー。
ほんとに楽しかった〜。

ヅカファン的な家庭内温度差

0930_1B
0930_2
0930_3B
0930_4
ひとが真咲さんロスでため息ついている横でキャッキャしてくる夫(たまきちちゃんファン)め。たまきちちゃんもかわいいから応援してるけどさ。

先日観に行った宝塚月組トップスター龍真咲さん退団公演、ショーの感想を。ちなみに東京公演は夫と行きました。DVDでもう1回観てから、と思ったら記事にするのが遅くなっちゃいました。

ショー『Forever Love!』はピンクだらけで華やかに始まり、テーマ曲もなんとも頭をぐるぐる回る曲で、キラキラとにかく眩しくてああ宝塚というかんじ。
0930_10
テーマ曲、歩いているときとかに無意識に歌ってしまう。


LOVEだけあって、スターさんたちの衣装もハートがたくさんあしらわれていて、かわいい♡
そしてバン! と出てきた真咲さん。
0930_6

ピンクのふわふわした衣装が着たいと昔のインタビュー記事で語られてたような。まさにこれか。

制作発表会で見たときも「すごい衣装だな」と思いましたが、生で観たらさらにモッフモフですごかった……。

10代のころ、「claires」というド派手なアクセサリー雑貨屋さんで買ったピンクのモコモコファーのついたボールペンを大切にしてたのですが、年をとるにつれ、そういうピンクでふわふわしたものに対してときめくことって無くなってしまって……。
0930_15
でも、今回すごいピンクでモコモコふわふわの真咲さんを見て、「ああ、こういうものにときめく気持ちを忘れてはいけないわ」と思いました。

さらに度肝を抜かれたのが、ドーンと顔アップの写真が天井から吊り下げられたセット。
0930_8

このセットをバックに男役がダンスで魅せる場面はかっこよくて最高!
コマちゃんの歌声もかっこよくて大好きでした。

それにしても、衣装といい舞台セットといい、一般人がやればきっと目も当てられない結果になりそうなものを見事にねじ伏せる、タカラジェンヌのビジュアル力。素晴らしいですね。

うちの夫がやった日には、「恐怖!! 自分大好き男の館」みたいなかんじになりそうだわ。
0930_9

あと楽しかったのは女装祭りの場面でしょうか。
わたしが観た回では、女装カチャちゃんに真咲さんが後ろから抱きつく、という振りに、なぜかカチャちゃんを待たせたまま抱きつかず「待ってるのかぁい……」と焦らす真咲さん、笑いをこらえてプルプルしながら待機してるかわいそうなカチャちゃんという、謎の回でした。
0930_12
他にもちゃぴちゃんの凄まじいダンスあり、お祭りみたいに楽しいショーでした。
ちゃぴちゃんの世界ダンスの旅は、次回はどこの大陸へ行くのだろう……。
0930_11
そしてラスト、組のみんなに見送られて、真咲さんが階段を上っていく場面。
前の席で観劇できたので、階段を上りきってハケていくところの表情まで全部見ることができたのですが、ピーンと背筋を伸ばして、顔をあげて、とてもニコニコされていたのが印象的でした……。
0930_13

思い出すだけで胸がいっぱい。
だけど、退団公演なのにいつもどおりクスッ(というかニヤニヤ)とさせていただいて、いつもどおりにかっこよくて、いつもどおりに度肝を抜かれ……。
宝塚愛に満ちたショーでした。
そして真咲さんの愛に溢れた歌声は、一生忘れることはありません。

ありがとう真咲さん! 

フォーエバーラブ!!!

月組公演『NOBUNAGA』を観にムラまで

0709_1
0711_100
0709_3
0711_4
信長は信長なだけあって最初から最後まで不敵な顔しっぱなしで最高でした

宝塚月組公演『NOBUNAGA〜下天の夢〜』を観に、宝塚大劇場まで行ってきました。

ムラまで行くのは久しぶり!!
両親とのプチ旅行だったので、夫は留守番。
マルーンカラーの阪急電車は、いつ乗っても素敵ですね。
泊まったホテルまでヅカざんまいで、幸せな旅でした。企画してくれた父、ありがとう。

今回の作品は、月組トップスター龍真咲さんの退団公演。
宝塚好きになって間もないわたしにとっては、もちろん誰が退団しても寂しいのですが、特に応援している現役スターさんが退団するのは今回が初めて。
もっと早く宝塚にハマっておけばよかった〜と後悔しつつ、「織田信長」を演じて退団されると知ったときは、すごく「らしい」役と演目だなと思い、真咲さんの信長姿を見られる日を楽しみにしていました。

勝手なイメージですが真咲さんは、たとえば退団の日もみんながワアワア泣いている後ろで、付けヒゲをビッ!! と取って、「じゃっ!」と、きれいなお姉さんの姿になってわんちゃんを散歩させつつスタスタと街に消えていきそうな、そういうアッサリさと、舞台上の濃ゆさのギャップがなんか中毒性のあるジェンヌさん。(しかも、その後「やっぱアフロで出ればよかったかな」とか真剣に反省会してそうな全力さも面白い……完全にイメージですが)。
わたしが初めて宝塚を観劇したのは、母に付き合って観た梅田の『風共』で、マサーレットの美しさとインパクトに、いったい今のは何だったんだ……と、やたら頭から離れなくなり、帰ってから母に借りたDVDで過去の映像などを見るうちに名前を覚え、そして現役の方からOGの方まで、気になるスターさんもたくさんできて劇場に足を運ぶようになり、宝塚世界が広がりました。(そのハマる過程で、夫も一緒にDVDを観たり劇場に行ったりしたので、夫までヅカ好きになりましたが)。

ヅカにハマるきっかけをくれた彼女の姿を宝塚でもう見られなくなる寂しさもありつつ、退団後の活動が楽しみな方であるので、濃ゆーーいヒゲ男役姿をお腹いっぱい見せてくれた今回の退団公演、さらば「男役・龍真咲」!! というかんじで、観てるこちらがバッサリ介錯されてしまったような、潔いものでした。

ということで、『NOBUNAGA』は、すごく退団公演らしいお芝居だったと思います。
織田信長の人生に、宝塚男役スター独特の美学を重ねて描きつつ、さわやかに次期トップの珠城りょうさん、ほかの組子の皆さんへの別れとバトンタッチ。

信長をやると決まったときから、最後の場面はやっぱり燃え盛る本能寺で高笑いしながらどかーん!! と爆ぜて、ファンはみんな「ギャアアア!! ま、まさおおおおお!!?」と阿鼻叫喚で終わるんだろうか……とドキドキしていたので、海風のように旅立っていくラストシーンにはすごく感動しました。

月組さんは長らく明確な2番手が曖昧に見えたので、やきもきした時期もありましたが、信長とロルテスの2人による男臭いラストシーンは、トップスターの背負うものを次に繋ぐ特別な瞬間を見せてくれて、本当に素晴らしかったと思います。「宝塚、次の100年へ! 宝塚に栄光あれ!!」と叫びたくなりました。わたし、これからもがんばってチケット買います!
0709_7
あと今回のお芝居の何が良かったって、真咲さんをはじめみなさんのビジュアルですね。
ロックミュージカルということで、刀を振りながら激しく踊るみなさんの甲冑姿がかっこよくて、ギラギラ派手で眼福でした。
特にわたしはスカピンのショーブランのときの、三白眼気味に目を見開いたり細めたりしてニヤー!! と企み笑いしている真咲さんの顔が好きだったので、信長もちょっとそれに近いビジュアルで、超大満足……。
あと、対照的なビジュアルの秀吉と光秀も完璧に少女漫画だし、跪くロルテスの足の長さにいちいち見とれてしまうし、すばらしかったですよ。

話の展開は、やっぱりすごかったです笑。みんなに裏切られたり、メカ象が乱入したり。
1回目の観劇は幸運なことに舞台が近すぎる席に座ったおかげでぼーっとしちゃって(というか興奮して胃液がこみあげてきて)話が頭に入らなかったので、次の日に観た2回目でようやくなるほどこういうことだったのね、と自分なりに物語を受け止めることができました。

信長が見た天下統一の夢と、背負ってきたものの重さ。立ち止まらないで進むという孤独、その道程で振り落としてきたもの。劇中で信長の語る言葉は、それが部下に対するものでも独白でも、全てが自分に鞭打つような、奮い立たせるための言葉のようで、痛々しいほど孤独でストイックなヒーローでした。唯一、妻を斬ってから漏らした「わしはいささか疲れ果てた」という言葉のみが彼の裸の言葉のようで、印象的でした。しかもその後一瞬で「だが止まるわけにはいかぬ!」とまたいつもの信長に戻るので余計に悲しい。
だから最後に、信長が「受けた恨み」として自分に刻みつけていた自分の道程を、「誇り」として、新たな夢に漕ぎ出さんとする船出の場面の笑顔が、すごく楽しそうで、もう涙が出ました。そしてなんとなく、秀吉、光秀、さらには妻の帰蝶までもみんなが信長を遠巻きに見るなかで、意外と真っ向から懐に飛び込んでこようとしたのがロルテスだったなぁと。

うーん、とても楽しい時間でした。
あと公演限定ポートワインの『陳陀酒』、甘くておいしかったです!

ショーの『FOREVER LOVE!!』についてはまた東宝で再観劇してから書こうと思います。
たまきちちゃんファンの夫と観に行きます。たのしみ!
VISAカードの抽選も当たってるといいのだけどな〜。
0709_8
ヅカ土産の神戸風月堂デセールショアジのジャムクッキーに目がない夫。母が夫へのお土産に買ってくれました。ありがたい。わたしは夫へのお土産を買い忘れました。