日比谷にも住みたい

日常雑記絵日記ブログ「荒川区に住んでます」の宝塚観劇記録用の日比谷別宅です

月組公演『NOBUNAGA』を観にムラまで

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信長は信長なだけあって最初から最後まで不敵な顔しっぱなしで最高でした

宝塚月組公演『NOBUNAGA〜下天の夢〜』を観に、宝塚大劇場まで行ってきました。

ムラまで行くのは久しぶり!!
両親とのプチ旅行だったので、夫は留守番。
マルーンカラーの阪急電車は、いつ乗っても素敵ですね。
泊まったホテルまでヅカざんまいで、幸せな旅でした。企画してくれた父、ありがとう。

今回の作品は、月組トップスター龍真咲さんの退団公演。
宝塚好きになって間もないわたしにとっては、もちろん誰が退団しても寂しいのですが、特に応援している現役スターさんが退団するのは今回が初めて。
もっと早く宝塚にハマっておけばよかった〜と後悔しつつ、「織田信長」を演じて退団されると知ったときは、すごく「らしい」役と演目だなと思い、真咲さんの信長姿を見られる日を楽しみにしていました。

勝手なイメージですが真咲さんは、たとえば退団の日もみんながワアワア泣いている後ろで、付けヒゲをビッ!! と取って、「じゃっ!」と、きれいなお姉さんの姿になってわんちゃんを散歩させつつスタスタと街に消えていきそうな、そういうアッサリさと、舞台上の濃ゆさのギャップがなんか中毒性のあるジェンヌさん。(しかも、その後「やっぱアフロで出ればよかったかな」とか真剣に反省会してそうな全力さも面白い……完全にイメージですが)。
わたしが初めて宝塚を観劇したのは、母に付き合って観た梅田の『風共』で、マサーレットの美しさとインパクトに、いったい今のは何だったんだ……と、やたら頭から離れなくなり、帰ってから母に借りたDVDで過去の映像などを見るうちに名前を覚え、そして現役の方からOGの方まで、気になるスターさんもたくさんできて劇場に足を運ぶようになり、宝塚世界が広がりました。(そのハマる過程で、夫も一緒にDVDを観たり劇場に行ったりしたので、夫までヅカ好きになりましたが)。

ヅカにハマるきっかけをくれた彼女の姿を宝塚でもう見られなくなる寂しさもありつつ、退団後の活動が楽しみな方であるので、濃ゆーーいヒゲ男役姿をお腹いっぱい見せてくれた今回の退団公演、さらば「男役・龍真咲」!! というかんじで、観てるこちらがバッサリ介錯されてしまったような、潔いものでした。

ということで、『NOBUNAGA』は、すごく退団公演らしいお芝居だったと思います。
織田信長の人生に、宝塚男役スター独特の美学を重ねて描きつつ、さわやかに次期トップの珠城りょうさん、ほかの組子の皆さんへの別れとバトンタッチ。

信長をやると決まったときから、最後の場面はやっぱり燃え盛る本能寺で高笑いしながらどかーん!! と爆ぜて、ファンはみんな「ギャアアア!! ま、まさおおおおお!!?」と阿鼻叫喚で終わるんだろうか……とドキドキしていたので、海風のように旅立っていくラストシーンにはすごく感動しました。

月組さんは長らく明確な2番手が曖昧に見えたので、やきもきした時期もありましたが、信長とロルテスの2人による男臭いラストシーンは、トップスターの背負うものを次に繋ぐ特別な瞬間を見せてくれて、本当に素晴らしかったと思います。「宝塚、次の100年へ! 宝塚に栄光あれ!!」と叫びたくなりました。わたし、これからもがんばってチケット買います!
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あと今回のお芝居の何が良かったって、真咲さんをはじめみなさんのビジュアルですね。
ロックミュージカルということで、刀を振りながら激しく踊るみなさんの甲冑姿がかっこよくて、ギラギラ派手で眼福でした。
特にわたしはスカピンのショーブランのときの、三白眼気味に目を見開いたり細めたりしてニヤー!! と企み笑いしている真咲さんの顔が好きだったので、信長もちょっとそれに近いビジュアルで、超大満足……。
あと、対照的なビジュアルの秀吉と光秀も完璧に少女漫画だし、跪くロルテスの足の長さにいちいち見とれてしまうし、すばらしかったですよ。

話の展開は、やっぱりすごかったです笑。みんなに裏切られたり、メカ象が乱入したり。
1回目の観劇は幸運なことに舞台が近すぎる席に座ったおかげでぼーっとしちゃって(というか興奮して胃液がこみあげてきて)話が頭に入らなかったので、次の日に観た2回目でようやくなるほどこういうことだったのね、と自分なりに物語を受け止めることができました。

信長が見た天下統一の夢と、背負ってきたものの重さ。立ち止まらないで進むという孤独、その道程で振り落としてきたもの。劇中で信長の語る言葉は、それが部下に対するものでも独白でも、全てが自分に鞭打つような、奮い立たせるための言葉のようで、痛々しいほど孤独でストイックなヒーローでした。唯一、妻を斬ってから漏らした「わしはいささか疲れ果てた」という言葉のみが彼の裸の言葉のようで、印象的でした。しかもその後一瞬で「だが止まるわけにはいかぬ!」とまたいつもの信長に戻るので余計に悲しい。
だから最後に、信長が「受けた恨み」として自分に刻みつけていた自分の道程を、「誇り」として、新たな夢に漕ぎ出さんとする船出の場面の笑顔が、すごく楽しそうで、もう涙が出ました。そしてなんとなく、秀吉、光秀、さらには妻の帰蝶までもみんなが信長を遠巻きに見るなかで、意外と真っ向から懐に飛び込んでこようとしたのがロルテスだったなぁと。

うーん、とても楽しい時間でした。
あと公演限定ポートワインの『陳陀酒』、甘くておいしかったです!

ショーの『FOREVER LOVE!!』についてはまた東宝で再観劇してから書こうと思います。
たまきちちゃんファンの夫と観に行きます。たのしみ!
VISAカードの抽選も当たってるといいのだけどな〜。
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ヅカ土産の神戸風月堂デセールショアジのジャムクッキーに目がない夫。母が夫へのお土産に買ってくれました。ありがたい。わたしは夫へのお土産を買い忘れました。